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コラム


▼ 誰にも聞けない夜のこと…人気ライターの連載コラム

[椎名こゆり]桃色のしずく

第11話 開かない扉(前編)

前回のあらすじ

大好きな高森さんと一夜を共にしたリオ。けれど、2人の前から姿を消したえりかさんのことが、どうしても気になっていた。そんな時、リオの目の前にえりかさんが…。呼び止めて部屋を出たリオは、並んで歩き話をした。えりかさんはすべて知っていた。けれど、一言もリオを責めることはしない…。


泣くほど好きだと思っていたあの瞬間よりもずっとずっと

高森さんからの電話が鳴っている。

あなたに恋してハッピー♪みたいな浮かれきった曲を設定した過去のあたしをうらむ。

早くあきらめて切って…

…ていうか着うた発明したやつ死ね。

「……あいつから?」

一瞬の挙動不審を見逃さないえりかさんは、出ていいよとも、出なさいとも、出ちゃダメとも、言わない。

「たぶん、コンビニにしては長いし、あたしが、なんかこう傷ついて帰ったみたいに思ったんだと思う。

だから、またすぐメールが来ると思うから、

そしたら、そしたら返す……」

言い訳みたいに解説すると、えりかさんはニヤッと笑ってこう言った。

「もうなんでもお見通しなのね。
あたしたちが一緒だって知ったら、びっくりするだろうね、ふふふ」

それはちっともこわい感じじゃなくて、あたしへの嫌みも憎しみも見えない言い方で、むしろ秘密を楽しんでるようで。

そうか、この人は、はじめからあたしを敵だとは、思っていないんだ。

あたしが高森さんを奪ったなんて、1ミリも思ってないんだ。

そして、実際その通りだ。

「あのさ。
高森さんと、どういう状況っていうか……今」

えりかさんは目を伏せる。

アナタニハ、関係ナイコトデショ。

ということ?

…ううん。

アナタハ聞カナイ方ガイイ。

と言ってるんだ。

でもあたしは引かなかった。

「知りたい。
知る権利は、ないのかもしれないけど、知りたい」

「権利がないなんて思わないよ、だってリオちゃんはあいつのこと」

「好きだよ。好きだったよ。

でも、でもあたしは、えりかさんのことも、好き、だよ」

なにか言葉を発するだけで一緒に涙もこぼれそうだったけど、もう泣いちゃダメだと思った。

あたしが泣いたらえりかさんは何も言えなくなる。

「だから。

ぶつけてほしい、本当のこと。

知って傷つくとかもうどうでもいいの、お願い」

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ライター紹介

椎名こゆり(しいなこゆり)

椎名こゆり(しいなこゆり)

現役風俗嬢。
小説・エッセイをweb上やスポーツ新聞などで発表している現役風俗嬢。深い洞察眼から生まれる繊細な表現にファンも多い。

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